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入選5回 詰将棋パラダイス2014年9月 短期大学

2014-9.png
誤18 無1 A22 B11 C0 平均2.66
作意:
1八桂、同と、2九香、㋑2八銀、同香、同と、1八桂、同と、Ⓐ2九香、㋺2八銀、Ⓑ同香、同と、1八桂、同と、2九香、㋩2八金、Ⓒ1五銀、同馬、2七銀、1七玉、2六銀、同玉、2八香、同と、1七金迄25手。
変化:
㋑2八金は同香、同と、1八桂、同と、2七金迄9手。
㋺2八香は2七銀、1七玉、3六銀、2六玉、2七龍、1五玉、1六飛以下19手。
 2八金は同香、同と、1八桂、同と、2七金迄15手。
㋩2八香は2七銀、1七玉、3六銀、2六玉、2七龍、1五玉、1六飛以下25手駒余り。
 2八銀は1五銀、同馬、2七銀、1七玉、3六銀、3七金、2七飛以下25手駒余り。
紛れ:
Ⓐ2七銀は1七玉、3六銀、2八玉、3八飛、2九玉で逃れ。
Ⓑ2七銀は1七玉、3六銀、3七歩で逃れ。
Ⓒ2七銀は1七玉、3六銀、2七香で逃れ。

本作は趣向作の特集で出題され、手を付けやすいにも関わらず自作には珍しく大量の誤解者を出した。何故なのか。手順を追っていこう。

途中図1(6手目同と)

「1八桂、同と、2九香、2八銀、同香、同と」と進めると、初形と比べて持駒の「桂香」が「銀」に変わっている(途中図1)。このように盤上はそのままで持駒だけを変えることを「持駒変換」といい、1サイクルの手数を長くしたものが超長編の分野でよく用いられる(伊藤看寿の「寿」、橋本孝治の「ミクロコスモス」などが代表例)。本作は1サイクル6手で持駒変換を行っている。

途中図2(12手目同と)

2サイクルの持駒変換で持駒が「銀2桂香」になった(途中図2)。「桂香」を持っているのでまだ1回繰り返せる。

途中図3(16手目2八金)

さて、途中図33サイクル目の途中なのだが、合駒が変わっていることにお気づきだろうか。何故銀ではなく金なのか。効果は後ほど表れる。

途中図4(20手目1七玉)

途中図3から1五銀、同馬として1五を塞ぐと1七香が邪魔になっている。なので2七銀、1七玉(途中図4)、2六銀、同玉として消去するのだが、その途中で2六銀の代わりに3六銀とする手がある。2八の駒が金なら詰まないのだが、銀なら同手数駒余りで詰むのだ。これが途中図3で金合をした理由である。

詰上がり図

まとめると、2八の合駒は「銀→銀→銀」でも作意と同様に詰むのだが、同手数駒余りで詰む手順も生じる。よって、詰将棋のルール上「銀→銀→金」が正解となる。作者としてはこの破調は意図したものではなく、たまたまこのようになっただけなのだが、解答者は最後も反射的に銀合をしたくなってしまう。実際にそうした誤解が続出した。
盤面10枚のこじんまりした初形から破調を含む持駒変換の繰り返し手順が現れ、収束も緩みなく決まった本作は個人的にも大変気に入っている。
なお、本作は2018年出版の「現代詰将棋 中編名作選 1977-2016」に採用いただいた。

山〇誠ー 桂香を消費する持駒変換。易しいが楽しめる趣向。
神〇薫ー リズムのままに16手目も銀合しそうになる。
今〇健一ー 3度目も銀合と思ったら金合でした。小趣向で楽しい軽作です。



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天内

詰将棋パラダイスに入選した自作の紹介をしています。局面図の表示にはShogipicを利用させていただいています。
プロフィール画像は入選18回目の詰将棋順位戦A級優勝作です。